左上の奥歯が先週から寝る時になると、ジンジンして痛むとのことで、最新医療を行っていると聞いてまうな歯科医院に来院されました。お口の中を拝見してみますと、穴があいていたり、着色がついていたりという虫歯の外観ではありませんでした。診査をしてみますと、レントゲンで、歯根膜腔の拡大(歯とあごの骨をつないでいる繊維が外力により広がっている状態のレントゲン画像)がみられ、食いしばりなど、強い力が左上の大臼歯にかかってしまっていることが分かりました。かみ合わせの診断を行い、むし歯や歯周病、歯石など異常がないが診査しました。正常な力より大きな力が加わると、歯の周りの骨をとかして、あごを守る防御反応がおこり、歯が動いてくることがあります。初期であれば、かみ合わせの微調整などで、異常な外力を取り除いてあげることで、歯の動きは止まることが多いです。
夜寝ているときは、無意識なので、大きな力が加わり、通常自分の体重くらいあるといわれるかむ力が、寝ているときは、100キロを超える強い力で かみしめている方もおられます。夜間に無意識の状態で、強いかみしめがあると、歯に痛みを感じたり、強くしみたりする場合があります。無意識の力をコントロールするには、夜寝る時だけはめるナイトガード(マウスピース)がおすすめです。歯のすり減りや、歯の破折、咬耗、摩耗も防ぎ歯を守ります。